栄養強化嚥下調整食導入事例(鎌倉リハビリテーション聖テレジア病院)

著者:島田直子、葉山雅子

嚥下調整食提供数(1日あたり)

10~30食

導入前の課題

ミキサーにかけ再形成した「ゼリー食」がありましたが、ボリュームが多く食べきれない、味がおいしくない、という意見がありました。給食は委託であり、調理師が変わることも多く、調理するものによって出来上がりに差がありました。

工夫点

委託業者が変更になる際に、嚥下調整食の改善を検討しました。改善にかかる材料費は、病院側が負担することにしました。

調理者が変わっても安定した嚥下調整食を提供できること、人員の少ない朝食時、また人員の変動があっても継続できることを目指し、完調品のムースを使いコード3を提供することにしました。主菜のソースにPFCパウダーを入れる、汁ものにプロテインパウダーを加える等の栄養強化を行い、少量高栄養を実現しました。

変更後

変更後は、調理時間の短縮につながり、調理者は盛付を丁寧にできるようになりました。患者さんからは、おいしい、見た目がよい、と反応はとてもよくなりました。栄養強化により全体の量を減らすことができたため(主食の全粥・ミキサー粥250g→150g、副食の量も減量)、食べきれるようになりました。

コード2-2とコード3の1日のエネルギー量は1600kcalです。患者さんの必要エネルギー量に応じて、主食量を調整し、補助食品を付加することで2200kcal程度は提供できる体制です。

改善前のコード3

(ゼリー食)(全粥250g)

コード3

(ムース食)(全粥150g)

改善前改善後
エネルギー(kcal)450520
たんぱく質(g)1922.5
脂質(g)1316
炭水化物(g)6675
塩分(g)22.6

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